2010年9月19日

第412幕「瞳の奥の秘密」

なんて品のある映画なんでしょう!クラシックで上品、同時に展開はスリリング、映画の醍醐味を味わえる作品です。

25年前に起きた未解決殺人事件を核に、それにまつわる人々の思いを様々な角度から描き、非常に見ごたえあります。まず、オープニングから掴まれます。独特の、美しく情感のある映像がスクリーンに映し出された瞬間、その世界に引き込まれます。(この映画、好みかも?大当たりかも?)という嬉しい予感はホントに当たりでした。

凄惨な殺人事件、犯人探しを扱いながら、純粋で強い愛を同時に描く!高度な技ですよー。ムードは静かだけど起伏あるストーリー、静かに終幕を迎えるかと思いきや、アッと驚く衝撃の事実が!あぁぁぁぁーっ!!!ここは皆、口開けて呆然ですよ!ハラハラのスリル、じんわりのロマンス、贅沢です。

ラテンの男は明るく楽天的!という先入観を変える面もありました。主人公、アルゼンチン人、裁判所勤めのベンハミン、静かです。態度も静か、思いだって秘めます、25年も!演じた俳優さん、初めて見ましたが素敵なミドルエイジです。

もひとつ、印象的なことが。ヒロインのイレーネが容疑者を尋問します。口を割らないとみたイレーネ「そうよね、あんたみたいなイケテない男をあんな美人が相手にするわけないわよね。あんたみたいなチンケな男、持ち物だってピーナッツ並みでしょうよ、あー!情けない!」要約するとこんな内容のことを言います。すると、自尊心を傷つけられムカついた容疑者は、おもむろにズボンを下げて持ち物を見せつけます、その行為が犯行を肯定するというのに!アルゼンチンでは「男らしい」ということが、とても大切なんだそうです。それを否定するのは耐え難い侮辱、イレーネはわざと挑発したんですねー。しかし、犯人だと認めてでも、ピーナッツは認めない!(うわっ!バカ!尻尾出したやん!)と思うのはこちらの感覚。そこまでこだわる「男らしさ」、価値観は多様です。

こう書いて「品のある映画」はウソかと思われるでしょうが、本当です。古き良き時代の上質な映画の匂いがある作品です。ふだん見る機会の少ないアルゼンチン映画、アカデミー外国語映画賞とってなければ日本で見られなかったかもしれません。いやー、世界には素晴らしい作品がいっっっぱい!あるんですねー!もっと見たいです。

 


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